Tracy邸
ユーソニアンオートマチックと呼ばれるF.Lloyd Wright独特のブロック住宅。
このブロックは、Kalil邸で使われた金属型枠を譲り受け、施主夫人自らコツコツと数個づつ作ったくったもの。設計されたのは1955年、竣工は1960年。ブロック積などの施行は、同じく自宅の設計をライトに依頼した施工業者によるもの。
シアトル郊外の湖を眼下に望むすばらしい眺望のあるこの敷地では、居間はテラスに向かって両開きの開口部が並び、Kalil邸より開放的になっている。
帝国ホテル建設のため日本滞在中、オンドルの快適さを体験したライトは、1937年ユーソニアンハウス実現第1号となったJacobs邸で、すでに温水式の床暖房を取り入れているが、この家の床暖房は温風式が採用されている。